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論文

遷移金属表面の酸化過程のリアルタイム光電子分光観察

小川 修一*; Zhang, B.*; 吉越 章隆; 高桑 雄二*

Vacuum and Surface Science, 64(5), p.218 - 223, 2021/05

放射光を用いたリアルタイム光電子分光法により、Ti(0001)およびNi(111)表面での酸化反応速度を観察し、酸化状態および酸化物の厚さを測定した。Ti(0001)表面が1.2nmのTiOで完全に覆われた後、400$$^{circ}$$CでTi$$^{4+}$$イオンがTiO$$_{2}$$表面に拡散することにより、n型TiO$$_{2}$$の急速な成長が進行した。TiO表面での酸素の取り込みが飽和しているということは、TiO表面への酸素の付着係数が無視できるほど小さく、TiのTiO表面への偏析がTiO$$_{2}$$の成長を開始するきっかけになっていることを示している。350$$^{circ}$$CのNi(111)表面では、熱的に安定なNiO$$_{x}$$が優先的に進行し、その後、p型NiOの成長が始まった。NiO厚さの時間変化は対数成長モデルで表され、NiO成長はNiO表面への電子のトンネル現象に支配されている。

論文

Preferred site occupation of 3$$d$$ atoms in Ni$$_{x}$$Fe$$_{4-x}$$N (${it x}$ = 1 and 3) films revealed by X-ray absorption spectroscopy and magnetic circular dichroism

高田 郁弥*; 伊藤 啓太*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 高梨 弘毅*; 木村 昭夫*; 末益 崇*

Physical Review Materials (Internet), 2(2), p.024407_1 - 024407_5, 2018/02

 被引用回数:14 パーセンタイル:48.52(Materials Science, Multidisciplinary)

X-ray absorption spectroscopy (XAS) and X-ray magnetic circular dichroism measurements were performed at the Ni and Fe $$L_{2,3}$$ absorption edges for Ni$$_{x}$$Fe$$_{4-x}$$N (${it x}$ = 1 and 3) epitaxial films. Shoulders at approximately 2 eV above the Ni $$L_{2,3}$$ main peaks in the XAS spectrum of Ni$$_{3}$$FeN were interpreted to originate from hybridization of orbitals between Ni 3$$d$$ at face-centered (II) sites and N 2$$p$$ at body-centered sites, while such features were missing in NiFe$$_{3}$$N film. Similar shoulders were observed at Fe $$L_{2,3}$$ edges in both films. Hence, Ni atoms preferentially occupied corner (I) sites, where the hybridization was weak because of the relatively long distance between Ni at I sites and N atoms. The relatively large magnetic moment deduced from sum-rule analysis of NiFe$$_{3}$$N also showed a good agreement with the presence of Ni atoms at I sites.

論文

Out-of-plane strain induced in a Moir$'e$ superstructure of monolayer MoS$$_{2}$$ and MoSe$$_{2}$$ on Au(111)

保田 諭; 高橋 諒丞*; 逢坂 凌*; 熊谷 諒太*; 宮田 耕充*; 岡田 晋*; 早水 祐平*; 村越 敬*

Small, 13(31), p.1700748_1 - 1700748_8, 2017/08

 被引用回数:24 パーセンタイル:70.23(Chemistry, Multidisciplinary)

CVD法を用いて単層のMoS$$_{2}$$およびMoSe$$_{2}$$をAu表面上に合成し、Au(111)結晶表面との接触が面外方向の歪みを誘起すること、多結晶AuおよびSiO$$_{2}$$表面では、歪みが誘起しないことを明らかにした。STM測定によって、歪み誘起の原因は、Au(111)結晶原子とカルコゲン原子の位置関係によって生じる相互作用に起因していることが示唆された。また、この歪みが、MoS$$_{2}$$およびMoSe$$_{2}$$の電子状態を大きく変調することを明らかにした。

論文

Simulation of He embrittlement at grain boundaries of bcc transition metals

鈴土 知明; 山口 正剛

Journal of Nuclear Materials, 465, p.695 - 701, 2015/10

 被引用回数:12 パーセンタイル:70.51(Materials Science, Multidisciplinary)

体心立法晶の遷移金属の粒界におけるHe脆化がどのような原子論的性質に支配されているかを研究した。我々は密度汎関数法を使った第一原理計算手法とHe偏析のための速度論を組み合わせた計算モデルを構築し、将来建設が予定されている核融合DEMO炉の第一壁の条件でHe脆化の予測計算を様々な金属を対象に行った。その結果、He脆化は中性子照射によるHe発生率だけでなく、粒界でのHe偏析エネルギーに大きく依存することがわかった。また、各元素のHe偏析エネルギーが周期律表において系統的な傾向を示すことが第一原理計算より明らかになった。

論文

軟X線分光で観た垂直磁化膜; [Co/Pd]$$_{n}$$多層膜及び希土類遷移金属アモルファス薄膜を例にして

安居院 あかね; 水牧 仁一朗*

信学技報, 104(409), p.7 - 10, 2004/11

強い垂直磁気異方性を示す磁性材料が高密度磁気記録媒体として不可欠となっている。例えば、Co/Pd人工格子多層膜やTbFeCoアモルファス膜は有望な磁気記録材料として注目されている。これまで、垂直磁化膜の磁気異方性エネルギーや保磁力など膜全体の磁気特性の報告が多くなされている。一方、膜の構成元素ごとの磁気特性について着目し元素選択的・軌道選択的に測定した物理量と、前述した系全体を表す物理量との相関について研究している例は少ない。本稿では軟X線磁気円二色性分光測定を用い、垂直磁化膜の磁気特性を元素選択的・軌道選択的観点から研究した例を紹介する。

論文

UV-ray photoelectron and ab initio band calculation studies on electronic structures of Cr- or Nb-ion implanted titanium dioxide

梅林 励; 八巻 徹也; 住田 泰史*; 山本 春也; 田中 茂; 浅井 圭介*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.264 - 267, 2003/05

 被引用回数:24 パーセンタイル:81.86(Instruments & Instrumentation)

CrとNbがドープされたTiO$$_{2}$$の電子構造を第一原理バンド計算と紫外線光電子分光(UPS)によって詳しく調べた。両ドープ体には、電子占有準位がバンドギャップ内に形成されることが明らかになった。これら不純物準位は、CrドープTiO$$_{2}$$ではバンドギャップのほぼ中央に、Nbドープの場合は伝導帯(CB)の底付近に位置する。過去に報告された遷移金属ドープTiO$$_{2}$$の可視域における光応答特性は、これらの不純物準位を介した電子遷移過程を考えれば系統的に説明できるものと考えられる。UPS測定では、不純物準位に起因するピークが両ドープ体ともに観測された。Crドープに由来する準位のピークは価電子帯(VB)端の近くに現れたのに対し、Nbの準位はより高エネルギー側、すなわちCBに近い側に位置した。この不純物種による違いは、上記の計算結果とほぼ一致した。われわれは、Cr,NbがTiO$$_{2}$$にドープされたときにバンドギャップ内に形成される準位の特性を理論,実験の両面から明らかにした。

論文

Single-crystal growth of transition metal oxides at high pressures of several GPa

東 正樹*; 斎藤 高志*; 石渡 晋太郎*; 吉田 裕史*; 高野 幹夫*; 高坂 祐樹*; 高木 英典*; 内海 渉

Journal of Physics; Condensed Matter, 14(44), p.11321 - 11324, 2002/11

 被引用回数:11 パーセンタイル:50.72(Physics, Condensed Matter)

数万気圧の高圧下におけるX線回折実験の結果をもとに、種々の遷移金属酸化物の単結晶育成を行った。(VO)$$_{2}$$P$$_{2}$$O$$_{7}$$, CaNaCu$$_{2}$$Cl$$_{2}$$, CaFeO$$_{3}$$の結果について報告する。

論文

Magnetic properties of some transition metal perovskite oxide systems; Transition metal = Ti, Cr, and Co

吉井 賢資; 中村 彰夫

Recent Research Developments in Physics, 3, p.758 - 776, 2002/00

本論文では、いくつかの遷移金属ペロブスカイト酸化物の磁性についてレビューする。紹介されるのは、(1)混晶Ti酸化物La$$_{1-x}$$Sm$$_{x}$$TiO$$_{3}$$及びLn$$_{1-x}$$Nd$$_{x}$$TiO$$_{3}$$ (Ln=Ce及びPr)における磁化ピーク,(2)クロム酸化物La$$_{1-x}$$Pr$$_{x}$$CrO$$_{3}$$及びGdCrO$$_{3}$$における磁化の反転,(3)アルカリ土類金属置換したコバルト酸化物Ln$$_{1-x}$$Sr$$_{x}$$CoO$$_{3}$$(Ln=La, Pr, Nd, Sm及びEu)における金属強磁性、である。これらの系における実験結果は、3d及び4f元素を含む酸化物の磁気的性質における結晶化学的ファクターの重用性を示唆する。

論文

Performance of soft X-ray emission spectrometer employing charge-coupled device detector

佐々木 貞吉; 中岸 信彦*; 村松 康司*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part.2), p.1489 - 1492, 2001/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:28.27(Instruments & Instrumentation)

軟X線領域で高い検出効率をもつことが見いだされたCCDを、軟X線発光分光装置に取付け性能試験を行った。装置はローランド半径1m、マイクロスリット幅3.9$$mu$$m、グレーティングライン密度2400/mm、CCD位置分解能~24$$mu$$mであった。発光の励起源として1.5keV電子線を用い、遷移金属単体及び遷移金属酸化物からの発光スペクトルを測定した。スペクトルピークのライン幅を、ALSにおける放射光励起のデータと比較したところ、ほぼ同等のスペクトルであることがわかった。放射光励起と組合わせることにより、従来のMCPを採用した装置と同等もしくはそれ以上の性能が得られると期待される。

報告書

土壌性状に関する調査研究(3)-日本の土壌中の微量及び超微量元素のバックグラウンド値-

山崎 慎一*

JNC TJ8430 2000-005, 159 Pages, 2000/03

JNC-TJ8430-2000-005.pdf:3.95MB

日本の各地100箇所余りから採取した500点以上の土壌の微量及び超微量元素の分析を主としてICP-質量分析法を用いて行った。土壌の採取地点はわが国に見られる主要な土壌を網羅するように設定された。従来の分析法によって求めた多量元素のデータを加えることによって、日本の土壌の60種類以上の元素のバックグラウンド値(天然存在量)を明らかにすることができた。得られた結果の概略は以下の通りである。1)各元素の濃度範囲は極めて広く、多くの元素で3桁以上の幅を示した。この様な幅広い濃度範囲を持つにも係わらず、以下の一般的な傾向が認められた。第一遷移元素の濃度は高く、原子番号が小さく、あるいは大きくなるに従ってその値は低下した。しかし、鉛、トリウムおよびウランは例外的に高い値となった。原子番号が偶数の元素は一般にその両側にある奇数番号の元素よりも濃度が高かった。2)頻度分布はほとんどの元素で低いほうへ強い片寄りを示し、算術平均値はバックグラウンド値として適切でないことが明らかであった。3)周期律表上で同一族、あるいは亜族に属する元素間ではかなりの組み合わせで高い相関(r$$>$$0.9)が認められた。4)クラスター分析で元素のグループ分けを行ったところ、土壌中での各元素の分布は土壌の性質よりも元素の物理化学的性質によって強く支配されていることが判明した。5)地球化学的標準物質として用いられている火山岩の推奨値を用いてクラスター分析で得られた樹形図は土壌のそれに酷似していた。この結果より、土壌中の各種元素の全含量はその出発物質である母岩の影響を未だに色濃く受けていると結論された。土壌生成過程の影響を検討するには、より溶解性の高い画分をも対象にデータの蓄積を行うことが必要と考えられた。

論文

Branching ratio and L$$_{3}$$+L$$_{2}$$ intensities of 3d-transition metals in phthalocyanines and the amine complexes

越野 雅至*; 倉田 博基; 磯田 正二*; 小林 隆史*

Micron, 31(4), p.373 - 380, 2000/03

 被引用回数:12 パーセンタイル:18.81(Microscopy)

遷移金属元素の2p電子を励起して得られるL$$_{3}$$及びL$$_{2}$$吸収スペクトルは、金属の電子状態やスピン状態に敏感であることが知られている。本研究では、TiからCuが配位したフタロシアニン分子の結晶性薄膜について、電子エネルギー損失分光法によりL$$_{2}$$,$$_{3}$$スペクトルを測定し、その電子状態を検討した。その結果、L$$_{3}$$+L$$_{2}$$の総強度は、各金属元素に局在するホールの数とよい相関関係にあることが見いだされた。また、L$$_{3}$$をこの総強度で割った、ブランチング比は高スピン状態にある金属元素ほど高い値を示すことが明らかになった。

報告書

土壌性状の分布に関する調査研究(I)

not registered

PNC TJ1601 98-004, 16 Pages, 1998/03

PNC-TJ1601-98-004.pdf:3.05MB

原子力に関する環境影響評価は局地を対象としたものが多く、評価モデルの各パラメータはその対象地域固有の値を用いている。近年、対象地域を限定しないGeneral modelの開発が進められているが、土壌性状等の環境条件は地域によって大きく変動するため、利用するパラメータも広範な環境条件に対応できるものを収集する必要がある。本調査研究は、その一環として、我が国における地質分布、植生等について系統的に取りまとめるとともに、土壌の物理・化学的性状と各種元素の土壌粒子への収着因子の解析及び可吸態にに関する調査を実施し、General modelに活用可能なパラメータを整備することを目的とする。

報告書

構造-機能変換能を有する化合物合成の研究-f元素抽出に適した構造の改良-2-

小夫家 芳明*

PNC TJ1633 97-001, 40 Pages, 1997/03

PNC-TJ1633-97-001.pdf:2.0MB

軽水炉核燃料の再処理に伴って生ずる高レベル廃液中に存在する多数の金属イオンの抽出、分離技術を開発することを目標として、構造-機能変換能を有する新規ホスト化合物を合成し、金属イオンの捕捉特性を評価した。本年度はf元素の抽出に適した構造への改造を目指して、アニオン電荷を有するアート錯体から成る新規遷移金属イオン組織化ホストを調整し、捕捉能を検討した。オリゴエーテル鎖の両末端にサリチル酸エステルを加水分解して得られる酸をアルカリ存在下にウラニルイオンを用いて組織化した。本反応は特徴あるテンプレート反応であることを明らかにし、生成した疑クラウン環にフィットするストロンチウムは定量的に組織化ホストを与えた。その他のイオン(Ca、Ba、Na、Kなど)は過剰の金属塩を共存させることにより、それぞれの金属イオンをクラウン環内に取り込んだ錯体を合成した。単離したストロンチウム錯体なとを用いてNMR滴定法により金属イオン間の選択性を求めたところ、本ホスト錯体はアルカリ金属イオンも強く捕捉できるが、アルカリ土類金属イオンを特に選択的に捕捉し、その間では空孔径にフィットするストロンチウムを最も選択的に捕捉することを見いだした。またこの錯体の擬クラウン環は第2のウラニルイオン、あるいは3価金属であるランタンの強力な取り込み場として機能することも明らかとなった。更に本ホストの金属イオンに対する捕捉力は、Srに対しクリプタンドの50倍、Caに対してはクイーン2と同程度であることをこれら既存のホストとの競争取り込み実験により明らかにし、強力な金属イオン捕捉ホストであることを実証した。

論文

金属多層膜・希土類-遷移金属化合物の結晶磁気異方性の第一原理計算

山口 正剛; 弓野 健太郎*; 浅野 攝郎*

日本応用磁気学会誌, 21(7), p.1014 - 1022, 1997/00

磁気記録材料として期待されるPt/Coなどの金属多層膜や、永久磁石材料として期待される侵入型の希土類遷移金属化合物において、結晶磁気異方性は重要な役割を果たしている。近年、この結晶磁気異方性の第一原理計算が盛んに行われ、定量的な理解が進むとともに、より優れた材料の探索に役立てようとする試みがなされ始めている。この解説記事では、結晶磁気異方性の第一原理計算について、筆者らの計算を主に紹介しつつ、その進展の状況を概説する。前半では金属多層膜とY-Co化合物について、遷移金属の3dバンドのスピン軌道相互作用に起因する結晶磁気異方性エネルギーの計算について述べる。後半では、希土類-遷移金属化合物の結晶磁気異方性を決定する希土類サイトの結晶場のパラメーターA$$_{lm}$$の計算について述べ、B,C,Nなどの侵入原子がA$$_{lm}$$に与える影響について説明する。

論文

Photoemission and ion-scattering study of Ce/Ni(110) and Ce/Cu(110) systems

岡根 哲夫; 山田 みつき*; 鈴木 章二*; 佐藤 繁*; 木下 豊彦*; 柿崎 明人*; 石井 武比古*; 小林 峰*; Shimoda, S.*; Iwaki, M.*; et al.

Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 80, p.241 - 244, 1996/05

 被引用回数:4 パーセンタイル:26.09(Spectroscopy)

ニッケル及び銅の単結晶表面にセリウムを蒸着した系の電子状態を、X線光電子分光並びにシンクロトロン放射を利用した真空紫外光電子分光により調べた。この系では界面において原子の拡散が起こる結果、希土類金属-遷移金属合金から成る表面相が形成されることを確認した。そこで、構成原子の試料表面から深さ方向についての分布を調べるために中エネルギーイオン散乱実験も行った。実験の結果、ニッケル表面上にセリウムを蒸着した系では、セリウム4f準位と伝導電子帯の間の混成強度が表面層におけるセリウム濃度と強い相関関係を有していることを見出した。一方銅の表面にセリウムを蒸着した系においては、この混成強度が表面層でのセリウム濃度にほとんど依存しないことが解った。

報告書

アクチニド系化合物における分子軌道法に関する研究(2)

巽 和行*

PNC TJ8603 96-002, 22 Pages, 1996/01

PNC-TJ8603-96-002.pdf:0.59MB

最近,化学現象をより論理的に捉え,理論に基づく指導原理のもとで研究を進めることが一般化している。その推進役を担ってきたのが分子軌道法で,コンピューターの急速な進歩および計算方法論の改良と相俟って,重原子を含むより複雑な化合物に対する理論研究が可能となってきた。一方,アクチニド核種やランタニド核種含む高レベル廃液の再処理技術開発や核燃料開発には莫大な資金,労力,時間が費やされてきたが,その成果はまだ満足できるものではない。特に,資源小国である我が国においては,外国の技術に頼らない独自の方法論の開発を行ない,この分野における先導的な役割を担うことが望まれる。しかし,従来の実験のみに頼る試行錯誤的研究方法では経済的および社会的制限が強くなろう。核燃料リサイクルの基礎研究において,積極的に理論化学および計算化学の手法を導入する試みに挑戦するのが本研究プロジェクトで,原子力基礎技術としての理論化学を構築することを目的とする。昨年度にこのプロジェクトを開始し,拡張ヒュッケル型分子軌道計算のフォーマリズムの設定と,計算に必要なパラメータの決定を行なった。その際,アクチニドなどの重い原子で重要な相対論効果について特に注意を払った。正確な相対論的Dirac-FockとDirac-Slater原子軌道関数を基に,f遷移金属原子パラメータを系統的に決定した。また,簡単なモデル錯体UH6(2-)とThH6(2-)の試行計算を行なった。2年目にあたる1995年度では,実際に単離されているU(C5H5)2(CONMe2)2やU(C5H5)2(pyrazolate)2などの有機アクチニド錯体の計算を行ない,我々のフォーマリズムが複雑なf遷移金属錯体に対して,充分に有効であることを明らかにした。

報告書

廃液処理設備の運転実績-平成5年度(1993年4月$$sim$$1994年3月)-

都所 昭雄; 根本 剛; 沼田 浩二; 根本 康弘*; 根本 正行*; 塙 英治*; 吉沢 知幸*

PNC TN8440 94-011, 19 Pages, 1994/04

PNC-TN8440-94-011.pdf:0.42MB

本廃液処理設備においてプルトニウム燃料各施設から発生した各種廃液を順調に処理することができた。その主な内容は次のとおりである。(1)本年度の工程中和廃液受入量は9541、分析廃液は690.51であり、合計1644.51である。なお、前年度繰越量を含めると今年度処理対象液量はそれぞれ10781、707.51の合計1785.51である。(2)その内、今年度の工程中和廃液及び分析廃液の処理量は、それぞれ9931、6481であった。(3)処理後の$$alpha$$$$beta$$放射能濃度は、何れも放出基準値である5.6$$times$$10ー2Bq/m1以下であった。

報告書

有用金属回収・利用技術検討会; 平成5年度報告書

明珍 宗孝

PNC TN8100 94-004, 188 Pages, 1994/03

PNC-TN8100-94-004.pdf:4.4MB

有用金属回収・利用技術検討会の平成5年度の活動について概要、議事録、配布資料等をとりまとめた。

報告書

海外出張報告書-米国ブラウン大学化学部における在外研究

河村 和広

PNC TN8600 92-001, 86 Pages, 1992/01

PNC-TN8600-92-001.pdf:4.7MB

米国ブラウン大学化学部Aaron Wold教授の研究室で,噴霧熱分解法を用いシリコン板上に酸化ジルコニウム膜を付ける実験を行い,膜特性を評価した。噴霧熱分解法の特徴は超音波振動で原料溶液を霧化させるため原料の揮発性に関係無く炉内へ原料を供給でき,大気圧中比較的低温(500$$^{circ}C$$程度)で熱分解させることができるとともに緻密で良好な特性を持った各種の膜を作製できることである。本研究では,原料溶液としてジルコニウムアセチルアセトネートのエチルアルコール溶液を使用し,熱分解後シリコン板上で成長した非晶質膜を酸素中で焼成(800$$^{circ}C$$)し,結晶化させた。膜付け,焼成のプロセスを繰り返すことにより厚膜を作製した。原料中の不純物問題,均一な膜付けのための最適条件探し,膜の割れ問題,原料供給部の管閉塞など数々の問題を解決し,最高3$$mu$$mの膜割れの無い均質な膜を作製できた。一年間の研究生活を通して習得した事項としては,1徹底した再現性の確認,2一歩一歩研究を進めていくやりかた,3産業界のニーズをとらえた研究テーマの選定,4論文化を念頭においた実験の進め方,5研究・発表の指導法,6研究コストの認識などがあげられる。材料製造技術としては,膜付け技術を習得することによりバルク材料に無い耐熱性,耐食性をもった材料の開発,廃棄物処理法への適用などを検討できるようになり,幅広い技術分野を見渡せるようになった。また二次出張(米国原子力学会,米国材料学会)では,アクチニド回収・核変換技術開発,処分技術開発の現状を知ることができた。米国で生活して米国を内側から知れただけでなく,日本についても再認識できた。また同じ研究室にいた中国人,韓国人と接することでアジアを知るきっかけともなった。これらの経験を今後の研究開発,生活に生かしていきたいと思う。

論文

Radiation synthesis of functional polymer

岡本 次郎

Radiation Physics and Chemistry, 29(N0.6), p.469 - 475, 1987/06

放射線グラフト重合法による分離機能高分子材料の開発を主に分離膜、吸着剤について報告する。 1)分離膜;電子線前照射グラフト重合法によるアクリル酸(AAc)、メチル、$$alpha$$,$$beta$$,$$beta$$-トリフロロアクリレート(MTFA)などのポリエチレン膜又は含フッ素膜への導入、及び得られた分離膜の電気化学的性質、機械的性質、さらに電池用隔膜などへの応用について述べる。 2)吸着材;種々の繊維にアクリロニトリル(AN)をグラフト重合し、次いでヒドロキシルアミンでアミドキシム基に変換した。アミドキシム化繊維の金属吸着性を、官能基分布、親水基の導入効果から議論した。AAc又はAAcとアクリルアミド(AAm)のグラフトポリエチレン粉末については、遷移金属、希土類元素の吸着、分離挙動を、配位子と金属イオンの化学量論的関係、及びグラフト鎖のシーケンス、立体障害などの関係で議論する。

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